ページの先頭へ
大阪市 住まいのガイドブック あんじゅ

住まいの維持管理  戸建住宅のメンテナンス

住まいをよりよい状態に保つためには、住みながら自身で住まいの点検を行い、メンテナンスを行うことが大切です。住まいの維持管理のプロであるホームインスペクターに、セルフチェックやセルフメンテナンスについて聞きました。

 

教えてくれたのは

NPO法人 日本ホームインスペクターズ協会近畿エリア部会 ホームインスペクター

中村 友彦さん、妹尾 和江さんです。 

 

 

セルフチェックで早期発見

 

中村 友彦さん

 

日々の体調管理をするように、住まいの状態を日頃から知っておくことで、異変に気づきやすくなります。セルフチェックで不具合を早期発見し、適切なタイミングで修繕をすれば、住まいの寿命を延ばすことができます。

 

外部の点検箇所 基礎/外壁/軒裏/樋/屋根など

 

建物の外部は目で見て、基礎や壁、屋根などの状態を確認します。双眼鏡があると軒裏や樋など高い場所までよく確認することができます。

 

基礎にひびがあれば、「クラックスケール」という専用の定規でひび割れの幅を測ってみましょう。0.5㎜以上のひび割れ幅であれば、構造耐力上主要な部分に瑕疵がある可能性が高いです。

 

また、地面に近い部分の外壁に変色があれば、多湿の状態で水はけが悪い可能性があります。外壁を手で触れてみてチョークのような粉がつく場合は、塗装が劣化しており塗り直しのサインです。

 

屋根や軒裏、樋なども劣化や退色、破損がないか点検します。可能であれば屋根を上から見て瓦の点検をしましょう。

 

外壁のひび割れ、シーリングの切れなどをチェックする。 

シーリングの切れ
モルタルの劣化例(ひび割れ)

 

内部の点検箇所 壁/柱/天井/押入れ/床/床下/水回り/建具など

 

建物内部では、壁や柱、天井、押入れの壁などをよく見て点検します。LEDライトを当てながら見るとシミや変化がわかりやすいです。

床はへこみやきしみがないか確認、床下は台所や洗面所の床下点検口から、シロアリの被害や湿気を確認します。水回りは水栓や止水栓に漏水がないかを点検します。

 

建具については、開閉時に枠や床下のあたり、擦れがないかを確認します。

 

いずれの箇所も状態が悪くなりすぎると、修繕に手間がかかり費用が高額になる場合もあります。専門家に相談するなど早期治療で重症化を防ぎましょう。

 

住まいのセルフメンテナンス

 

セルフチェックで見つけた劣化や不具合の中には、専門家でなくても自身でメンテナンスできる場合もあります。道具や材料はホームセンターなどで入手できますので、安全に気をつけて取り組んでみてください。

 

外壁、水回りなどのコーキング

 

妹尾 和江さん

 

コーキング材はホームセンターなどで購入できます。外壁や基礎の軽度なひび割れや、水回りでカビが目立つ箇所の打ち替えなどを行います。水回りに使用する場合は、防カビ剤入りのコーキング材を使用しましょう。

 

 

コーキング打ちに使用する道具はホームセンターなどで購入できる。

 

建具の調整(ドア、アルミサッシ、網戸など)

 

隙間が均一でない、異音がする、鍵のかかりが悪い場合などはネジの調整をすると改善する場合があります。

 

防災メンテナンス

 

ガラス窓に飛散防止シートを貼ったり、家具を壁に金具で固定するなどの転倒防止をすることは防災につながります。