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テレワークで、広がる暮らし エピソード04~05
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ダイニングを活用してワークスペースに
中古の一戸建住宅をリノベーションして住んでいます。設計段階からダイニングで仕事や勉強をすることを想定していました。職場環境に近づけるために、ダイニングの照明を電球色から昼光色に変更し、CAD用のモニター等を追加で購入しました。妻は、仕事だけでなく家事の全てをここで行なっていました。ダイニングは常時作業スペースにすることはできないので、それが課題です。
精神的な安定。進まない仕事
暮らし方は、理想的なものでした。子どもとの時間が多く取れたのは本当によかったです。両親が常にそばに居たので、子どもも落ち着いていました。また、空き時間で自身の試験勉強にも集中できました。ただ、目の前で子どもが遊んでいる環境では、正直、仕事ははかどりにくかったです。夫婦のどちらかが必ず子どもにつかなければいけない状態なので、子どものいる家庭でのテレワークは、基本的に難しいと感じました。仕事上では、電話代が増えました。社内の世代間でネット環境への適応に格差があり、情報共有も苦戦しました。
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まちで過ごす、子どもとの時間
テレワーク中は、近隣にあるお気に入りの公園に、子どもとよく遊びに行きましたね。数年前に、千林商店街を中心に行われているまちづくり活動1000ピースプロジェクト』に、私が参加していたので、子どもの手を引いて歩いていると、商店街の人に声をかけられたりします。住むまちでこういうコミュケーションがあるのは嬉しいですね。
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食材の仕入れができる近所の商店
毎年3月頃、近所に相撲部屋が来るんですよ。お相撲さんが店の前を歩く風景は、春の風物詩です。近所の駒川商店街は、八百屋が10軒程あって、野菜が安くて新鮮なんです。「今日のおすすめなに?」とお店の人から聞いた野菜をカレーの具材にしたりします。都市の良さは専門家が多いことですよね。カレー屋も多いです。
オンライン料理教室を実施して気づいたこと
週末は自宅の1階でカレー店を運営しています。コロナ禍の営業自粛中に、「オンラインカレー料理教室」を実施しました。開催して分かったのは、カレー料理教室が〝カレーの作り方を教わる場〝ではなく〝自宅のキッチンから参加できる家族で遊べる場〝になり得たということ。こうなると競争相手は、他のカレー店ではなく、You Tuberやディズニーかもしれせん(笑)。オンラインだからこそ与えられる新しい体験価値が、まだまだあると思っています。
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テレワークを活かした新しい働き方
企業内で取り入れられているテレワークは、職種が限られ、対人サービス業では成り立ちません。なかでも営業などは、オンライン上で、対人間においてどう信頼関係を築くかが課題です。以前関わった徳島県のある名刺会社では、営業部隊を全てテレワークで完結させて、効率的になったという先進事例もあります。テレワークやオンラインの働き方は、活用次第で多くの可能性を秘めています。例えば、専門職の方ならば、オンラインで習い事教室や塾を開いたり、作品を販売することも可能です。時代のニーズに合った働き方や場所にとらわれない働き方が、これを機にもっと生まれてくることを期待しています。
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状況を受け入れて、自分たちなりに生活や働き方を創意工夫する前向きな姿勢を各インタビューから感じました。今後、テレワークの普及により、理想の暮らしを実現するため住まいや暮らしに変化が起きそうです