話題の赤い「HUBChari」の運営団体を訪ねてみた
まちで気軽に借りれる電動シェアサイクル・HUBchari(ハブチャリ)。24時間365日、借りたい時に借りて、好きなポートで乗り捨て返却できるという便利さが人気だ。30分150円(税抜)で、全てスマホアプリとウェブサイトでの決済※1。空き台数も事前にアプリでチェックできる。
※1:HUBchari事務局、アメリカ村ポートのみ現金支払いも可能
「「ホームレス状態を生み出さない日本にしたい」という理念のもと、ホームレスの人が働ける仕事を考えた時に、彼らが得意とする自転車修理の技術に着目。そこで生まれた事業が、シェアサイクル・HUBchariです」と、HUBchariを運営する認定NPO法人Homedoorの理事長・川口加奈さんは話す。
HUBchariの拠点は、主にビルやホテル、マンションの空きスペース提供により、成り立っている。2011年に、1ポートからスタートしたHUBchariのポート数は年々増え続け、今では大阪環状線内を中心に、大阪市内に約250拠点※2、総台数は約1500台となった。長年、利用者の中心は観光客だったが、昨年からのコロナ禍でも、利用者自体は年々増加している。昨年度と比較しても伸び率は約2倍で、3倍近い月もあるという。HUBchariの法人契約も増えており、コロナ禍で公共交通機関を避ける傾向にある中、一般の方のニーズの高まりが感じられる。
※2:2021年1月現在。株式会社ドコモ·バイクシェアポートも含む
2018年の大阪府北部地震の際には、HUBchariの一部を無償で貸し出し、帰宅困難者に喜ばれたことも。「自転車は、災害時のセーフティネットになります。将来的には、電車・バスに次ぐ公共交通機関にしていきたい。具体的には、HUBchariの拠点を大阪環状線内に300mおきに作っていくことが目標。安心していつでも利用できることは、自転車が身近な都市交通手段となり得る条件だと思います。交通の多様性が広まることで、その暁に、多様な人をも受け入れられる都市になってほしい」と川口さんは意欲的だ。今後都市の中で大切な移動手段ツールとなり得る、シェアサイクルのこれからを見守りたい。