達人が教える都市での自転車のお作法
ちゃんと走ろう
コロナ禍で密を避ける、健康づくりのため自転車を利用する人が増えているそうです。では自転車で安全に走るにはどうしたら良いでしょうか。
まずは、交通ルール。乗り物を利用する人がお互いにルールを守らないと事故が起きます。例えば、「クルマの仲間」である自転車は「左側通行」が基本。反対に言うと、右側通行(逆走)は危険が一杯です。自転車同士が正面衝突すれば追突と比べて倍以上の衝撃があり重大な事故につながります。また同じく左側通行しているクルマからも右側通行の自転車は見えにくく、事故リスクが高まります。
そして「自転車は車道が原則、歩道は例外」もルールの一つです。歩道は「歩行者のための道」と心して走る所です。歩道上で歩行者に対して事故を起こせば、自転車の責任が大きく問われます。歩道通行可の標識がある道でも、歩道を通行する場合は車道寄りを徐行(すぐに止まれる速度)しましょう。言い換えれば、自転車でスピード出したいなら車道を走行してください。
車道を安全に走るコツは、車のドライバーや他の自転車とのコミュニケーションをとるのがお薦め。自転車には方向指示器やブレーキランプがついていないので、ハンドサインやアイコンタクトで周囲に進行方向を伝えたり、互いに安全を確認すればお互い安心です。近年、大阪市内では車道上の安全走行を進めるために、交差点や車道の左側端に、青色の自転車ナビマークや矢羽根が路面表示され、自転車が走る場所と方向を示しています。傘さしや携帯電話しながらの「ながら運転」、信号無視等は危ないですし、社会人としてカッコワルイのでやめましょう。小言が続きましたが、自転車で走って楽しい道を探してみるのが安全に走るコツかもしれません。
ちゃんととめよう
最近は路上の駐輪設備が増えました。少し前までは違法駐輪が道にあふれ、みんな困りましたよね。「私一人なら」という行動が、新たな違法駐輪を誘います。それぞれの「ちゃんととめよう」って気持ちがまちを良くしていきます。そんな気持ちで協力してもらえれば嬉しいです。とはいえ、急いでいる時に限ってとめる所がみつからなかったりして困ります。HPなどで事前に駐輪場の場所を探しておく工夫が安心につながります。そんなことで、住宅や施設、会社のオーナーの方は駐輪スペースをしっかり整備くださるととても嬉しいです。
大阪市内を自転車で走ると楽しいです。街並みを眺めながら、上町台地を汗かいて上りながら、川沿いをのんびりと、行き交う人の様子を観察しながら、等々。「楽しみながら、他人に迷惑かけずに、カッコヨク」、大阪の自転車乗りの作法にしたいですね。
自転車文化タウンづくりの会 藤江 徹