軒先で呼び起こす、懐かしいまちの賑わい
三泉商店街振興組合・のきさきあるこ運営委員会( 大正区)
大阪市大正区にある「三泉商店街」は、今年で111年を迎える歴史ある商店街だ。
1970〜1980年代には子育て世帯の利用も多く、夏休みやクリスマスなど季節ごとの催しには人が溢れていた。
しかし時は流れ、工場の移転や人口減少により利用者は減少。商店街の特性上、2階には居住しながらも、1階の店舗は使わずシャッターを閉めるという店舗も目立ってきた。
そんな中、2019年と2020年の秋に行われたのが、「のきさきあるこ」というイベントだ。商店街の軒先に20〜30軒、期間限定の屋台が出るというものだ。
「子どもがわいわいと集まって、三泉商店街に当時の賑わいが戻ったようでした」と三泉商店街振興組合・理事長の髙橋和世さんは話す。組合のメンバーも高齢化する中、商店街に賑わいを作りたいという想いを引き継いだのは、のきさきあるこ運営委員会だ。
空き家再生を進める(一社)大正・港エリア空き家活用協議会・京都大学・民間企業・近隣住民など多種多様なメンバーで構成され、組合と連携しながらユーモア溢れるイベントを作り上げていった。
2回目開催の際に力を入れたのは、子ども向けの催しだ。
1回目のイベント参加者アンケートで、「子どもも遊べる企画がほしい」という意見が多かったからだ。
この地域には、都市には珍しく、外遊びをする子どもの姿をよく見かける。
子どもの遊び場が減りつつある中、憩いの場になればという思いもあった。
蓋を開けてみると、当日の看板やポスターを作るプレワークショップでは、子どもたちが大活躍。
イベント当日には、手作りのヨーヨー釣りや昔懐かしいゲームが並び、子どもたちが券を握りしめて集まった。
今後のイベント継続についても、前向きに考えていると髙橋さんは話す。
「嬉しいことに、イベントがきっかけで商店街の空き家の活用事例も生まれています。大正は、梅田や難波から電車で約15分の立地。
下町感の残る、まるで『都会の中の村』です。元気な子どもたちは、大正の宝。何年経っても、子どもたちで賑わうまちであってほしいです」
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