商店街と暮らす
「商店街と暮らす」~オンライン開催~
トークセッション登壇者
- 桜木 彩佳 さん (株式会社 散歩社企画統括ディレクター)
- 平松 孝介 さん (on:e Lab. 代表)
コーディネーター
- 髙田 光雄 さん (博士 (工学) 、 京都美術工芸大学教授、 京都大学名誉教授)
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髙田 お互いの取り組みについて、 質問しながら 進めていきましょう。 桜木さんいかがですか。
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桜木 若者が少ない地域に、 あえて若者の拠点を作ったことがすごいですね。 若者が少ない地域だからこそ、 支援してくれる人がいるのだと感じます。 入居者のモチベーションや、 今後の展望はいかがでしょうか。
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平松 子どもの居場所を作りたい人や、 空き家再生に興味がある人などが入居してくれました。 思いはそれぞれですが、 この場所ならつながりができ、 チャレンジできると感じてくれています。 展望についてはまさに、「これからの5年」 をテーマ にしたイベントを計画中です。
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髙田 on:e Lab. の取り組みについては、強力な応援団がいることが強みですね。 入居者でなくても応援はできますので応援団を増やすことが大事。 今後は平松さん自身が応援者になることが重要ですね。
BONUS TRACKについても、 地域との関係性や、 先ほどポジティブな面での展望はお聞きしましたが、これから20年を考えるうえで不安要素はありますか。
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桜木 夜遅くまで明るいことや、 区道が整備されたことで、 若者が夜まで楽しむなどの問題が発生することがありました。 そういったことは小田急さんとも相談し解決を目指しています。
その他、 突然テレワークをすることになった方にとって憩いの場になったことや、 近隣で飲食店をされている方にテイクアウトの商品を販売する場所を提供したことについて、 喜びの声を直接聞いています。
今は誕生して2年目、 「新しい」 とまだ言えますが、時間が経ち、 あることが当たり前の風景になって、 下北沢の風景や人が変わっていったときにどう対応していくか、 不安はあるが楽しみな部分でもあります。
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髙田 お話にあった問題については、 若い人たちと中高年者のライフスタイルの違いが重なることで起こる、 多世代交流の課題と言えそうですね。 桜木さんご自身は下北沢という地域のポテンシャルは高まると考えている、 と感じますが。
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桜木 いわゆる若者のまち、 単価感が安いという印象から、 スタイリッシュなものや質が高く単価が高いものを受け入れられるムーブメントがまち自体にも起こっている境目であると感じています。 まちの色が増えたらいいと思ってい ます。
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髙田 なるほど。 一方、 三泉商店街は放っておくと大変な状況になりそうですが、 いかがですか。
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平松 危機的な状況ですが、 少しずつですが若い人の出店が起こっています。 若い人たちを受け入れる雰囲気を発信していくことが僕たちの役目だなと。 DIYの様子を動画で配信したところ、早速、 工房として使えないかと問い合わせがありました。
- 髙田 若者に向けた取り組みを次々と打ち出していくことが求められますね。今日は、 若い人たちが、 難しいことを乗り越えながら、展望を持ち実践している有意義なお話が聞けました。 ありがとうございました。
コーディネーター
髙田 光雄(たかだみつお) さん 博士(工学)。一級建築士。 京都美術工芸大学教授 / 京都大学名誉教授。大阪市ハウジングデザイン賞選考委員有識者会議座長居住文化を育む住まい・まちづくりの実践的研究を継続している。
※誌面の都合上、第8回大阪市ハウジングデザイン シンポジウムの内容を編集して掲載しています。