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大阪市 住まいのガイドブック あんじゅ

8階常設展示室

  明治から昭和にかけての近代大阪の住まいと暮らしを紹介するフロア。
 パノラマ地図や精巧な模型、年表や暮らしの道具などを展示している。
 住まいの変化を物語にした「住まい劇場」の上演や、心斎橋や大正時代のテーマパークなど都市の娯楽も知ることができる。

パノラマ地図と模型。
物語で見る大阪の住まいと暮らしの移り変わり

 8階では明治から昭和の高度経済成長期頃までの大阪における住まいと暮らしの変遷を紹介しています。展示室中央の床で光を放つパノラマ地図は大正13年の大阪市域を描いたもの。その周囲には6つの模型が並びます。

 

1938(昭和13)年の空堀通の模型。活気ある様子が再現されている。
1956(昭和31)年の古市中団地。布団を干す人や掲示板を見る人の姿も。

 

空堀通や古市中団地など、建物はもちろん生活の様子まで作り込んであります。30分毎に上演する「住まい劇場」では、物語の一場面を再現した人形が模型と入れ替わりで出現。上演中しか登場しないので必見です。

 

「住まい劇場」の主人公、悦子の家族が営む理髪店での一場面。

 壁面には、天神祭や心斎橋、通天閣や遊園地など都市の文化や娯楽を動く模型で紹介。生活道具、住まいの年表なども展示しています。興味のある展示から見つつ、「住まい劇場」の上演を待つのがおすすめです。

心斎橋筋でウインドーショッピングをしながら歩く「心ぶら」の風景を動く模型で展示。
昭和初期に描かれたイラストマップを元に制作した。

 

学びプログラムにもチャレンジ

 

 今昔館では「学びプログラム」にも取り組んでいます。8階では展示を見てクイズに答える「チャレンジオッタ〜!初級編・中級編」を用意。全問正解で景品がもらえるとあって、子どもにも大人にも大人気です。再オープン後には9階専用のクイズもお楽しみに。

 

企画展づくりや収蔵品の管理なども行う学芸員のみなさん。
右から深田智恵子さん、上田祥悟さん、服部麻衣さん。 

 そのほか様々な企画展やイベント、ワークショップを開催するなど、常設展示の他にも見どころがあります。都心部にあり天神橋筋六丁目駅から直結、雨にも濡れずアクセスできる便利なミュージアムです。年間パスポートを活用して、何度でも気軽に訪れてみてください。

 

 令和3年に開館から20年を迎えました。生き生きとした展示を維持するために、日々の掃除や定期的なメンテナンスが欠かせません。学芸員以外にもたくさんの人が関わり、再オープンに向けた準備を進めながらみなさんのご来場をお待ちしています。

 

コラム 
都市居住の魅力を伝える貴重なミュージアム
橋爪 紳也

 

はしづめしんや:大阪公立大学研究推進機構教授。今昔館の立ち上げに参加し近代展示の企画に携わった。

 大阪のミナミが故郷です。父が建築塗装屋を営み、子ども時代は十数人の住み込みの職人がいました。同級生にも商売をしている家が多く、職住近接で都心に暮らす経験をしてきました。都市居住を研究テーマとした原点です。

 

 今昔館が開館した当時、大阪の都心部は仕事に通うだけの場所になりつつありました。だからこそ都心部に住まうことの楽しさや魅力、大阪の歴史や文化、先人の苦労が素晴らしいまちを作ってきたことを伝えるという役割を今昔館に持たせました。江戸/明治/戦前/戦後など歴史を個別で捉えるのではなく、連なっているものとして見せることもコンセプトの一つです。

 

 再現した江戸時代の町並みや模型など、今昔館の展示は長い時を経ても古びていません。これからも大阪の都市居住の魅力を発信していってほしいですね。

1912(明治45)年の様子を再現した「通天閣とルナパーク」は、乗り物が回転するなど子どもにも人気。

 

 

 大阪市立菅北小学校 山本 輝樹(やまもとてるき)教頭先生

 小学校3年生の社会科見学で今昔館に行きます。見学した児童達は「とても楽しかった」と話しています。電気、ガスがなかった時代の生活について、わからない若い教員もたくさんおり、学習にとても役立っています。

 

天神橋筋商店会  福田 仁郎(ふくだじろう)総務部長

 今昔館のすぐ隣でふとん店を営んでいます。商店街でイベントを開催する際に今昔館の入場券を景品にしたり、學光さんの阿波おどりイベントに協力したりしています。再オープン後も連携を続けていけるよう期待しています。

 

 

 

和柄の制服が目印のアテンダントさん。

 図録やパノラマ地図などを販売しています。お土産にぜひ。

 大阪くらしの今昔館のページはこちら