今昔館を支えるボランティア「町家衆」
平成13年、開館の年に活動を開始したボランティア「町家衆(まちやしゅう)」。
9階常設展示室を巡る町家ツアーでのガイドや、懐かしい遊びや文化を体験できるワークショップの企画開催、団体見学の見守りなど活動内容は多岐にわたる。
現在の登録数は185名。開館当初から今昔館にはなくてはならない存在だ。再オープンに向けた準備作業をする町家衆を訪ねた。
学び、出会い、交流する場として
作業をしていたのは「今昔館の風景を額縁に飾ろう」というワークショップ(再オープンに併せたイベント。催し物については今昔館のページをご覧ください。)に携わるみなさん。
10名ほどが集まり、ダンボールの額縁やそこに貼り付ける小さなパーツを作っておられた。
「準備さえすればお客さんが喜んでくれる。下ごしらえの時間が一番楽しい」と話すのは西﨑誠(にしざきまこと)さん。
町家や裏長屋などに興味があり、会社帰りに何度も立ち寄っているうちボランティアにも参加するようになったそう。
テーマパークが大好きで今昔館に興味を持ったという菊池知栄子(きくちちえこ)さん。今昔館で西﨑さんが開催するワークショップに参加したことがきっかけで自身も町屋衆に登録。コロナ禍を経て町屋衆のメンバーと再会できた嬉しさに、「改めてみなさんの存在の大きさに気づいた」と話す。
好奇心旺盛でおしゃべり好きという竹岡雅子(たけおかまさこ)さんにとって「町家衆の活動は学習塾のような存在」だという。「それぞれに得意なことがある人が集まっているので、ボランティアさんにもいろんなことを教えてもらえる」と竹岡さん。
展示のことや歴史についてわからないことは学芸員さんを見つけてすぐに質問をするので「うるさいなと思われているかも」と笑う。
いつ、どの活動に、どんな頻度で参加するかを一人ひとりにゆだねているのが町家衆の運営方法の特徴だ。「町家衆のみなさんはいろんなことを成し遂げてきた人生の先輩。自由だからこそ、一人ひとりが責任を持って活動しておられ、すごく助けられています」と前出の学芸員のみなさんは話してくれた。
町家衆のみなさんに共通していたのは、「自分のペースで自由に活動させてもらえる貴重な場所」という思いだった。
再オープンに向けて町家衆のみなさんが楽しみにしているのが来館者との出会いだ。西﨑さんは「展示を見ながら70代、80代の方が昔の暮らしについて聞かせてくれる」ことが楽しみの一つ。
「着物姿でほっかむりをして9階の町並みに溶け込むだけでお客さんが驚いてくれる」と笑う菊池さん。
竹岡さんは「たくさんの人に出会える場所。コロナ前のように外国の方も訪れてほしい」と期待を膨らませる。
■[再開特別企画・住教育コラボレーション]
今昔館の風景を額縁に飾ろう
・2022年10月29日(土)~30日(日)
・時間:①11:00 ②13:00 ③14:00
・材料費:300円
・当日先着各回8名
■[企画展関連企画]
木版画はがきを刷ろう
・2022年10月29日(土)~30日(日)
・時間:13:30~15:00
・材料費:200円
・定員なし
■[イケフェス大阪2022関連企画]
町家の特別公開とカンナかけ体験
・2022年10月29日(土)~30日(日)
・時間 13:30~16:00
・対象 小学生以上
・大阪各地で開催される「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪2022」にあわせ、小屋組みがみられる町家2階の特別公開とカンナかけ体験を開催します。
詳細は大阪くらしの今昔館ページへ
その他にも再オープンに併せたイベントをご用意してお待ちしております。