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ひろば〈淀川区〉 みんなの「やりたい」を叶える居場所
運営:一般社団法人エンパワメントサポートセンター
阪急十三駅から徒歩5分、住宅が多いエリアに「ひろば」はある。2階建ての大きな建物の中に入ると、目の前にはキッチンがあり、その奥に活動スペースが続く。「ひろば」は障がい福祉施設であり、障がい当事者による当事者活動と仕事づくりサークルの活動場所だ。2つのグループ、「障がい者の人権を考える当事者の会Future(フューチャー)~みらい~」「シッポファーレ 仕事づくりクラブ」のメンバーが、空家になっていたこの大きな一軒家を再生した。
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みんなで一緒に食事をしたり、働く場をつくったり、勉強会を開くなど様々な活動に取り組んでいる。以前は固定した場所を持たずに活動していたが、定期的かつ継続的にやりたいことができる自分たちの場を持ちたいという声が上がり、「ひろば」をつくった。
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「食事は特に力を入れています」と清水さん(前列中央)。
代表の清水裕(しみずゆう)さんは「みんながのびのびと活動できる場所はどんな場所か、何度も議論しました」と話す。たくさんの物件を半年以上かけて見てまわる中で、ふと立ち寄った不動産会社が紹介してくれたのがこの空家だった。
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精神保健福祉士として福祉事業所の業務も担う。
「大家さんは知り合いなどに貸したいからと、一般の賃貸情報には出していませんでした。長い間使われておらず、古い建物でしたが、広さと利便性と改修できることが決め手になりました」と清水さんはここを選んだ理由を教えてくれた。
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福祉施設として登録するためには耐震強化など大規模な改修が必要だった。多大な費用を補うために、クラウドファンディングと大阪市の空家利活用改修補助を活用した。床の板張りや壁の塗り変え、使いやすい建具の制作などをシッポファーレの木工チームが担い、2022年11月に「ひろば」が開所した。
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障がいのある人、職員、家族、福祉事業を利用する人などいろいろな人が集う。毎日の昼食は手作りで、中国出身の料理人を招いた料理体験や視覚障がい者による出張マッサージがある日も。清水さんは「メンバーみんなで考えたり議論したりしながら、やりたいことや夢を叶える場所にしていきたい」と語った。
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床は杉材を使った心地よい空間。
改修して大きくなた窓から商品の販売も。