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開催終了

〜生活文化の粋 三井別家中川コレクション〜くらしの美を探る 四季のしつらいともてなしの道具

2018年4月21日(土)〜2018年5月27日(日)

本展で初公開となる「三井別家中川コレクション」は、江戸時代の豪商三井家の別家中川九兵衛(なかがわくへえ)家に伝来する書画、茶道具、食器類などのコレクションです。
三井家は、江戸、京都、大坂の三都に呉服店を構え、両替商も営んでいました。幕末の大坂の名所を描いた『浪花百景』には、高麗橋2丁目にあった大坂本店の?栄ぶりが描かれています。
ところで、京都と大坂では風土や文化が異なるという指摘が古くからあります。一方で、京・大坂を一体にした上方文化という歴史用語もあります。2つの都市は、淀川という大動脈によって密接に結ばれていて、共通する生活文化が醸成されたことも事実です。例えば、船場言葉は京言葉と似ていますし、町家や町並み、年中行事など、両都市に共通する生活文化は数多く見いだすことができます。また、大坂の豪商・加島屋が京都出水の三井家から花嫁を迎えたように、京都と大阪は人や文化の交流を深めながら共に発展してきました。
中川家は、享保期頃(1716〜1736)より代々京都西陣に近い千両が辻で本家と同じ呉服業を営んでいました。明治初頭に廃業しますが、現在の当主で10代目を数える旧家です。
歴代の当主たちは家業に勤しむかたわら、歌人や茶人、絵師や陶工と親しく交流しました。また、家業だけでなく年中行事や通過儀礼といった生活面においても、本家や他の別家との交際も重要だったと推察されます。
このような、富裕な商家ならではのくらしを営むなかで、来客をもてなす膳碗や酒器、食器類、四季折々に床の間を飾る掛軸や花器、そのほか調度品や装飾品などが蓄積されました。また、8代目当主(明治14年〜大正10年/1881〜1921)は茶の湯の愛好者で、茶道具類の収集にも熱心だったといいます。
本展は“四季のしつらい”と“もてなし”をテーマに、「三井別家中川コレクション」から、端午の節句飾り、季節を演出する掛軸や花器、また、茶道具をはじめ陶器、漆器、ガラス器などの道具類、100点余りを展示します。上方の富裕な商家に育まれたくらしの美を感じていただければ幸いです。

会場 大阪くらしの今昔館8階企画展示室

入館料  企画展のみ300円
     常設展+企画展 一般800円(団体700円)
             高・大生500円(団体400円)
             *団体は20名以上
中学生以下、障がい者手帳等をお持ちの方(介護者1名含む)、大阪市内在住の65歳以上の方は無料(要証明書提示)

交通 地下鉄谷町線、堺筋線、阪急電鉄「天神橋筋6丁目」駅下車3番出口より連絡
   JR大阪環状線「天満」駅から北へ650m

大阪くらしの今昔館
〒530-0041大阪市北区天神橋6丁目4-20


【関連イベント】
中川九兵衛家10代当主によるギャラリートークを開催します。
日時 平成30年5月6日(日) 午後2時〜 30分程度
会場 大阪くらしの今昔館企画展示室
参加費 企画展観覧料が必要です
定員は設けておりません。当日、時間までに会場にお越しください。

<展覧会図録>
『くらしの美を探る 四季のしつらいともてなしの道具』
A5判 カラー/モノクロ 75ページ
販売価格 800円