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収蔵資料紹介 浪花行事十二月 「梅見月 野里住吉一夜官女」 二代貞信 作、昭和14(1939)年

お知らせ

当館の所蔵資料「浪花行事十二月」には、江戸時代の浪花の年中行事風俗が旧暦の月ごとに描かれています。今月ご紹介するのは、二月の絵として描かれている「梅見月 野里住吉一夜官女」です。



野里住吉神社では毎年正月二十日(現在は二月二十日)に一夜官女祭りを行います。村の平和を祈るため、野里村の白羽の矢が立った家の女子を神に供える風習でした。その後、選ばれた女子が衣装をつけて行列をし、お参りをする形式が伝えられました。
男性が担ぐ桶には神饌を入れ、中央に「龍の首」、周囲には「御花」という紅白の御幣が立て並べられています。神饌の内容は白蒸し・鏡餅・小餅・串柿・大根煮・白菜煮・小豆煮・豆腐白味噌煮、鯉・鮒・鯰などです。
天保三年(一八三三)「増補日本年中行事大全」の正月二十日の項に「野里祭、摂津国西成郡野里村にあり、祭神住吉明神・乃佐渡彦建立す。乃佐渡彦の裔十二家ありける。鯉・鮒・鯰魚を神供とす。小女髪を下げ頭に載て奉る。是を一夜官女といふ」と記されています。

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