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企画展の見所

お知らせ

 現在、大阪くらしの今昔館ゆかりの美術品を展示する 「今昔館の宝箱」展を開催中です。展示品の中から本日は、当館に新収蔵された二代貞信(一八四八〜一九四〇)による「浪花行事十二月」をご紹介します。
「浪花行事十二月」は浪花の年中行事風俗を、陰暦の月別に描いています。各画面に「九十二翁/貞信」の落款があり、昭和一四年(一九三九)、没する前年の作であることがわかります。昭和一〇年代、大阪が大大阪として急速都市化の進んだ時代に、江戸時代の風俗や伝統的な祭りを回顧的に描いています。
 目次は次のとおりです。
(一月)睦月  今宮十日恵比寿
(二月)梅見月 野里住吉一夜官女
(三月)桜月  十三堤草つみ
(四月)卯之花月 ざこば魚じま
(五月)橘月 梅田牛の藪入り
(六月)雷師月 夏まつり
(七月)七夕月 盆をとり
(八月)月見月 彼岸会
(九月)紅葉月 重陽菊の使
(十月)時雨月 誓文払
(十一月)霜月  番船
(十二月)春待月 顔見世芝居

今回は、旧暦の3月、春の訪れを感じさせる「桜月 十三堤草つみ」をご紹介します。

 

 本図は十三の堤の草原で草つみに興じる人々の姿が描かれています。草つみする女性や子どもたちは籠を手に、着物をたすき掛けにして熱中している様子です。春の野草を摘んでいるのでしょうか。
 草つみをする家族の横で持参した酒を飲む男性や、奥の屋台には男性が集まっています。
川べりに腰掛ける男女や親子の姿もあり、春の十三の堤はうららかな気候を楽しむレジャー
スポットであったことがうかがえます。

 展覧会には他にも屏風や襖絵、掛軸を展示しています。5月15日までの開催です。
 

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