資金計画の注意点(1分で読める! 住まいの「入門」&「ミニ解説」)
このページでは、はじめて住宅を購入される方のために、資金計画について1分程度で読めるように、わかりやすくアドバイスしています。専門用語等には、ミニ解説をつけています。
〈登場人物〉
※「宅地建物取引業者」は略して「宅建業者」としています。
資金計画の注意点
住宅を購入したいのですが、どれくらいの金額の住宅ローンを組めるのかが心配です。
住宅を購入するときは、「将来にわたり、無理なく返せる額がどれくらいなのか?」を検討することが大切ですよ。
不動産の広告に記載されている住宅ローンの返済額が、現在の家賃と同じくらいであれば「買えそうだ!」と思ってしまうかもしれません。しかし、広告に記載されているのは多くの場合、現時点での変動金利、35年間返済など、限定された条件における金額です。
変動金利の場合、その時点では低金利であったとしても、長期にわたり続くのかどうかはわかりません。将来、もし金利が上昇したときに、どれくらいの返済額になるのか、未来のことも予想してシミュレーションしておくことが大切です。
住宅ローンを検討するときは、金利だけではなく、保証料や融資手数料等の諸費用、繰上げ返済のしやすさ(繰上げ返済手数料・返済金額の最低額等)についても考え、複数の住宅ローンを総合的に比較しましょう。
住宅ローンといっても、いろいろなことを考えておかないといけないのですね!
他に住宅ローンを組むときに、考えておくことはありますか?
そうですね、住宅ローンを考える前に、20年、30年後の家族の未来を想像してみると、どのようなときに大きな出費があるのかがわかりやすいですね。
未来を考えるのですか?
教育費が必要な時期や車の購入予定、子どもの結婚時期等を思い描き、老後資金のための貯蓄も含め、いつどのような費用が必要になるのかを考えてみましょう。表に家族の年齢を1年ごとに刻み、そのときに考えられる予定・おおよその収入や必要な費用を書きだしてみると把握しやすいですよ(キャッシュフロー表)。
住まい情報センターでは、資金計画の専門家であるファイナンシャルプランナーによる専門家相談(面接)を開催しています。住宅を購入する前には、ぜひ、ご活用ください(予約制)!
ミニ解説
1 金利の種類
①固定金利型:
借入時から返済終了まで金利も返済額も変わりません。金利上昇時のリスクがなく、将来のライフプランも立てやすいです。一般的には、変動金利よりも固定金利の方が高めの金利が設定されています。
②変動金利型:
借入期間中、金利は半年ごとに、返済額は5年ごとに見直されるものが多いようです。金利上昇時でも、前回の返済額の1.25倍を超えることはありませんが、金利が短期間に大きく上昇すると、元金の減り方が少なくなってしまい、更に金利が上がると未払いの利息が発生します。
③固定金利選択型:
借入時の一定期間は固定金利で、その期間経過後に再度、固定金利選択型か変動金利型かを選択でき、固定金利選択型を選んだ場合は「再選択」を繰り返していくことになります。 固定金利の期間は2年、3年、5年、10年などがあります。
2 返済方法
①元利均等返済:
毎月の返済額(元金+利息)は、返済期間中一定です。
②元金均等返済:
毎月の返済額のうち、元金部分は一定です。利息は元金の残高により計算されるため、当初の返済額は多くなりますが、期間が経過するにつれ返済額は減っていきます(取扱いのない銀行もあります)。
3 住宅取得に必要な諸費用(物件価格+諸費用=自己資金+住宅ローン)
不動産取得税、登録免許税、印紙税
融資手数料、ローン保証料、火災保険料、地震保険料、団体信用生命保険料
仲介手数料(宅建業者に依頼している場合)
司法書士報酬など
一般的に必要な諸費用額は、新築住宅の場合は購入価格の3~7%、中古物件の場合は仲介手数料を加えて6~10%程度を目安に準備するとよいでしょう。また、家具や電化製品を買換えるなど、購入者により必要な費用は変わります。
購入した後に必要な諸費用(修繕費や固定資産税等)についても考えておきましょう。
4 頭金
必要な諸費用を除き、準備できる自己資金のことです。
頭金は、住宅ローンの負担を軽減する役割がありますので、物件価格の2割程度を用意することが望ましいと考えられます。
住宅ローンは、返済期間が長いため、その間には、収入が減ることや失業などで住宅ローンの返済が困難になるおそれがあります。頭金が少ないと、当面は物件の価値が住宅ローンの残債より少ない「担保割れ」になる可能性があり、家を売ることも住宅ローンを借換えることも難しくなります。新築物件の担保価値は購入時点から下がり、入居すると中古物件になることを意識しておきましょう。
病気や収入減という緊急時にそなえて、貯蓄をすべて頭金に使ってしまうのではなく、生活費の半年~1年分程度は手元に残しておくことも大切です。
5 キャッシュフロー表
将来のライフプランを考えるにあたり、家族のイベント、収入・支出等の金銭面を一覧表にしたもので、家計管理の問題点を知ることができます。キャッシュフロー表は現時点での状況をもとに作成するため、ライフプランに変化があればそのつど見直しましょう。